【Sgrum活用事例】休日の活動から地域移行を開始。行政-学校-地域の密な連携でアイデアを出し合い課題を解決する|長与スポーツクラブ(長崎県)
2024年度に全国で本格化する中学部活動の地域移行。今回ご紹介するのはモデル事業として先行して進む長崎県長与町(ながよちょう)のケースです。長与町ではNPO法人総合型SC長与スポーツクラブと連携し、学校と行政が一体となって部活動地域移行に取り組んでいます。地域移行が始まった直後からSgrumをご利用いただき、会員管理、情報配信、などの機能を利用し、選手および保護者との連絡、チーム運営に活用されています。日々の運営や部活動の地域移行、Sgrumの使用感について今回は長与スポーツクラブでコーチをされている髙比良 尚さん、山本 一輝さんへインタビューをさせていただきました。(写真左から、髙比良さん、山本さん)
文:Sgrum編集部
写真:長与スポーツクラブ
モデル事業として進められてきた、長崎県長与町の「部活動改革」。2023年4月から本格的に地域クラブによる運営がスタート
——部活動の地域移行について、これまでの取り組み概要を教えてください。
髙比良:現在、全国の公立中学校の部活動を地域のスポーツクラブや民間へ委ねる「地域移行」が進められています。長崎県長与町では、3年前から地域連携・地域移行の取り組みを推進してきました。全国に先駆けて2023年4月から、学校で行われていた休日の運動部活動を廃止し、地域スポーツ活動へと移行しました。長与町に唯一ある総合型地域スポーツクラブの長与スポーツクラブ(NSC)が、その受け皿として地域スポーツ活動の運営を担っています。
——部活動地域移行のプロジェクトは順調に進んだのでしょうか?どのような課題がありましたか。
髙比良:現在長与町には長与中学校、長与第二中学校、高田中学校の3つの中学校があります。例えば、長与中学校には硬式テニス部がありませんでした。また、指導者として硬式テニスを教えられる指導者もいませんでした。このままだと硬式テニスをやりたい生徒も、それを教える指導者も長与町からいなくなってしまう、そんな状況を部活動の地域移行プロジェクトで改善することができました。生徒たちの選択肢を狭めることなく、今は3つの中学校の合同チームとして、硬式テニス部のなかった長与中学校の生徒も活動をすることができています。
部活動地域移行はこれまでの前例がないため現場の指導者は最初はとても不安でした。そんな中で先が見えないながらも、各指導者がコミュニケーションを取り合い、アイデアを出しながら進めていくことで、場所の確保や、指導のアップデートなど徐々に連携が進み、長与町独自のスタイルが出来上がってきました。
——部活動顧問とスポーツ指導者との両立について
山本:私は、平日は高田中学校でサッカー部の顧問をしながら、休日は長与スポーツクラブで兼職兼業という形でサッカー指導をしています。指導ができるのは長与スポーツクラブに登録をしているコーチだけとなっており、兼業という形は教育委員会との連携で進める事ができました。
最初は休日だけ3つの中学校から生徒が集まる事に関して混乱が生じ、さらには指導者がシフト制になるため指導者間での連携がうまくとれるか不安でした。最初の3カ月は方向性が定まるまでに時間がかかりましたね。その中でも、長与スポーツクラブの取り組みとして指導者講習会は大きなきっかけとなりました。外部の指導者を招き学ぶことで、チームの共通ルールをつくろうということになり、指導者間で密にコミュニケーションを取るようになりました。
——実際に部活動が外部へ委託されていく中で子どもたちに変化はありましたか?
山本:子どもたちは昨年までは対戦相手であったチームでしたが、4月からはすぐに同じチームメイトとして打ち解けて楽しく参加してくれています。サッカーであれば各地域のサッカーがうまい選手が選抜されチームを形成する「トレセン」制度があるように、将来的には長与スポーツクラブが「トレセン」のような場所としてサッカーに打ち込みたい選手が集まれるようなチームにしていければと考えております。
雨天時は、かつて一軒一軒電話連絡していた。アプリ導入で時間と手間を大幅に削減
——ではSgrumについてお聞かせください。どんな機能をどう使っていますか?
髙比良:現在活用しているのは、主に連絡機能になります。今までは保護者へ直接の連絡ができなかった中で、Sgrum導入後はスピード感をもって保護者に連絡を取ることができるようになりました。今までの部活動では保護者会の連絡網を使用していました。雨の日には、顧問に連絡をして、保護者に一軒ずつ電話連絡していました。今ではSgrumを通じて直接当日の練習スケジュールに関しても共有しています。未読か既読か、確認できることによって連絡作業も一段と楽になりました。
——最後に今後の展望などあれば教えてください。
髙比良:長与スポーツクラブが地域スポーツ活動の運営を担うようになって1年目ではありますが、スタート時、平日は教員として、休日は部活動指導者として、それぞれの立場を模索しながら進んできました。現在は教員指導者間のコミュニケーションも円滑に進んでおり、チーム運営ができています。今後は、子どもたちが触れ合えるスポーツの選択肢を増やしていきたいと考えています。
——Sgrumとしても長与町部活動地域移行に貢献できるよう、これからも安心・安全のサービスと新機能を提供してまいります。お忙しいところ、ありがとうございました!